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不帰郷
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黒田 喜夫(1926-1984)
山形県寒河江の生まれ。高等小学校卒業後、上京して京浜工業地帯で工場労働者として働く。戦後は日本共産党に入党、郷里で農民運動に参加する。代表作は「毒虫飼育」。本詩集には収録されていません。
「(かつて)蓑を纏うことが人格を
離れて神格に入る手段であった」と 暗く
四肢がうごき
濡れた着物の落ちる
音が聴こえたとき
だが過ぎ去ることさえない季の死
わたしの草の着物は
ひとりの肉と実在を包んでいたと
黙しながら
覚えある蓑のひとが暗がりから
波うつ葉緑素の国家の真昼間へ
深い現時となって戻らず
ここから歩きでていった
ことを忘れてくれ
だから忘れてくれ
だから忘れるな
河べりのひとつの夏を忘れないでくれ」
「葦の湿原のかなた」より
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