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詩集 くだもののにおいのする日 新装版
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松井啓子さん(1948-)という詩人が1980年に駒込書房から刊行した同名の詩集を、新しい挿画と装丁で2014年に新装版で出版したもの。
この詩集には大きく分けて二つの型の詩がある。ひとつは、ある女性がひとりで、見えない相手と会話をするような独話的な詩。もうひとつは、物語的な構成をもつ詩である。型は異なっていても、両者には共通するものがある。ままならなさ、である。
呼ばれても、行き着く先に誰もいない。探しても、見つかるのは実体のない余白である。育てようとしても、育てているのは娘ではなく空の箱である。この詩集における「私」は、常に何かに応答しようとしながら、その応答がどこにも着地しないまま、次の身振りへとずれ込んでいく。そのずれこそが、この詩集の一貫した運動のかたちなのではないか。
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